若者への八か条

今日は、4日に行われた「第70回卒業証書授与式」での「告辞」の内容について、少しお話します。
何名かの方に、「告辞」の中で紹介した「八か条」のコピーが欲しいとリクエストいただきましたので、今日はこの出典について少しお話したいと思います。
卒業生の皆さんに紹介した「若者への八か条」は、ジャーナリストの柳田邦男さんが書かれたものです。
この八か条は、国谷裕子著「キャスターという仕事」の終章に掲載されています。

NHKの「クローズアップ現代」のキャスターを長く務めた国谷裕子さんが、この番組で挑戦し続けた日々を振り返ったこの本。
終章には、その最終回のことが書かれています。
柳田邦男さんは、この最終回のゲストでした。
最終回のテーマは「痛みを越えて~若者たち 未来への風」というものでした。
本には、放送当日、柳田さんから「危機的な日本の中で生きる若者たちに八か条」が手書きのファックスで寄せられ、放送では四か条として紹介されたことが書かれています。
柳田さんの許可を得て、元の八か条が国谷さんの本に掲載されたのでした。
この八か条には、国谷さんと柳田さんお二人の、若い世代への熱い思いが込められている…と私は読者の一人として重く受けとめました。
ここに八か条を掲載することは控えさせていただきますので、ご興味のある方は、どうぞ国谷さんの本をお手に取ってお読みください。
私がこの八か条を紹介したのは、卒業生一人一人に、自分に今何ができていて何が欠けているのか、自身の財産と課題を知ってもらいたかったからです。
西遠という「青春の道場」で、学習から、部活動から、行事から、自然と育まれた財産があるはずです。
自分が得たこと、成長したこと、それを自覚してほしいと思いました。
同時に、学びそびれたこと、自分の弱点や課題を知ることで、これからの人生の目標が定まるのではないかと考えました。
その思いが、卒業生の皆さんに伝われば幸せです。
卒業式から三日がたちました。
高校3年生のいない学園はちょっと寂しいです。
けれど、高校2年生が最上級生の自覚を持ってきびきび行動している場面も見られ、頼もしい気持ちにもなっています。
今週は、中学音楽コンクールもあります。
生徒一人一人が現代社会を生きていくための大事な何かを今まさに掴み取ろうとしている、そういう日々が学園生活の中に常にあるのだと思っています。