読んだ本、読んでる本

今日もオンライン夏期講習が行われています。先生方が教室や教員室から動画を配信したり、ズームで問題解説したりしています。夏休み後に備えて、ズームでSHRを始めた先生も。生徒の皆さん、そろそろ登校の心と体と頭の準備をしてくださいね。

オンライン自習室J、無事2日目も終わりました。中1から高3まで、生徒たちは自分のちょうどいい時間帯で参加してくれています。

昨日も今日も、オンライン自習室Jの終わりに本を紹介しました。

昨日紹介した本が、写真左上の歌集「ドームの骨の隙間の空に」(谷村はるか)です。題名の「ドーム」とは広島の原爆ドームのことです。読まれた都市は、広島だけでなく、東京も、大阪も、博多も、福井もあるのですが、やはり8月、広島を題材にした短歌が私の心に響きました。

  燃え残り原爆ドームと呼ばれるもの残らなかった数多(あまた)を見せる

  ふわり来てとまる鷺(さぎ)には丸屋根はその名持たない遺産でもない

そして今日、最後に紹介した本が、写真中央の「これからの男の子たちへ」(太田啓子)。去年買ってこの夏やっと読む、読んで「なんでもっと早く読まなかったんだ」と後悔する…というお決まりコースのオオバです。弁護士の太田さんは現在、二人の男の子を育てています。

フランスの作家シモーヌ・ド・ボーヴォワールの「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」という有名な言葉があります。私自身、自分の女性としての生きづらさを人生の折々に感じるとき、この言葉を思い浮かべたりするのですが、新生児だったころからの息子たちの成長を身近で見ていると、男の子もまた「男に生まれたというよりも、゛男になる”のだな」という感じがしてくるのです。

太田啓子著「これからの男の子たちへ」(大槻書店)より「はじめに」から抜粋

男の子に読んでほしくて筆者はこの本を書いたのだと思いますが、これは大人の男女はもちろん、10代女子も読んだほうがいいです! ズームで思わず「必読図書にしたい!」と言いましたが、大げさではなく、十分、必読図書の候補にしてよい本だと思いました。

右上の一冊は、まだご紹介していない本です。「10代のための読書地図」(本の雑誌社)。「必読図書」や「西遠生にすすめる本」の参考になればいいなと思って買いました。冒頭の座談会、「10代にお勧めする100冊」を選定していくお三方(大森望・新井久幸・池澤春菜)の「推し」が面白くて…。「『小暮写真館』は長さはあるけど、四パートに分かれているので比較的読みやすい。中学生の夏休み用に最適です。」とか「最初『夜のピクニック』にしようかと思ったけど、定番すぎるし普通に推薦されるだろうから、いろんなモダンホラーの先駆けとなった『六番目の小夜子』で。」とか「ちょっと変態方面で乱歩もいれません?」・・・と、本をたくさん読み、本をこよなく愛している方々のマニアックな会話・ひとひねりした本の選定に、苦笑しながら読みました。ジャンル別のおすすめ本のページもあります。ジャンル分けも興味深く、〈友だち〉〈社会〉〈刑事〉〈こわい話〉〈ダメだけどかっこいい〉などなど。それがほとんど自分が読んだことのない本ばかり出てくるので、大いに刺激的。一回通りさらっと読んでから、今度はじっくり読んでいる最中です。

もうすぐ夏休みが終わります。いい本に出会えたでしょうか? 部屋の「積んどく」が崩れる前に、もう少し読み進めたいと思います。

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静岡県にも「緊急事態宣言」が出されることになりました。本日の浜松市の感染判明者はついに100名を超えました。一層の感染防止対策をとりましょう。