学園祭という学び その5

学園祭が終わり、秋休みが始まって、高校3年生は受験一色の毎日を送っていると思います。
高校3年生にとって最後の学園祭は、HR展や実行委員という中心的なものに参加するのではなく、受付・バザー・模擬店をクラスごとに担当し、学園祭の『縁の下の力持ち』として参加することになっています。
今年の高校3年生も、それぞれの場所で笑顔いっぱいに活躍してくれました。
ちょうど、10月7日の公式ブログに、「学園祭での高校3年生」がアップされています。

そんな高校3年生は、最後の学園祭を前に、こんなことを綴ってくれました。
9月28日の講堂朝会の感想です。
そこには、学園祭で何を学んだかが熱く、深く語られていました。
今日は、学園祭で学びを実感した高校3年生たちの声をご紹介しましょう。
公立中学出身の生徒はこんな思い出を語ってくれました。
☆西遠の学園祭は、他の学校のような遊びの行事ではなく、ひとつの行事を通してたくさんのことが学べる行事だと思います。私は中学3年生の時に、西遠の学園祭に行ったことがあります。「HR展とは何なのか」「何でクラスごとに展示会みたいなことをしているんだろう」と戸惑いましたが、何クラスかのHR展を見て、巨大制作物やその他の展示物に驚かされ、同学年の子達がハキハキと話していることにも驚きました。校内で迷っていたら、高校生が案内してくれたこともありました。あまり長時間はいませんでしたが、とても楽しめたことを覚えています。HR展で知識が学べて、学園祭全体で人の温かさを学べました。学びがあって楽しめる西遠の学園祭は、西遠でしかできないことだと思います。

また、中1の頃にはこんなことを考えていた、という本音を書いてくれた高3生もいます。
☆中1,2年の頃は、学園祭ではお化け屋敷やメイドカフェをやってみたいなあと思っていました。さらに、遠州縛りだったので、部族とかいろいろなものを調べてみたかったですが、西遠ならではの「学べる学園祭」は、これからを生きていくスキルを獲得できると思うと、魅力的だと思います。遠州だけでは狭すぎて調べるものがなくなってしまうと思っていましたが、今思えば、自分の住んでいる地元でも知らないことが多く、学べるのも今年が最後だと思うとさびしいです。地元のことを学びたいと思うようになったのも、西遠に入学して、学園祭を体験したからです。
私が学園祭で得た力は、計画性、人をほめる力、忍耐力、気持ちのコントロール、周りを見る力、他人の能力を信用する力、創造力など、様々です。将来、必要となる能力を手に入れることができたのは、とても価値のあることだと思います。

HR展を3度味わったベテランたちはこんなところにこだわりを持っています。下級生の中にも、「そうそう、そうです!」と共感できる人がいるのでは…?
☆私はHR展で大切なのは、巨大制作物などの大きいものも確かにそうではありますが、いかに小さいところまで気づくかだと思います。例えば、文字の大きさ、ペンの太さ、書く人、目立たせる色を統一するのはもちろん、イメージに合わせて字体を変えたり、カラフルにしたり、制作物では、解説を吹き出しでつけたり、3Dにしたり、模様を描いたり。言ってしまえば、「余分」なものをいかに付け加えるかだと思います。「余分」なものが少しでもついているだけで、とてもいい掲示や制作物になると思います。
☆私はHR展で、調べてきたことを当日発表する時が一番好きです。あまり好む人は多くないと思いますが、シフトで、人が入れ替わりをし、誰かが来なかったり、別の用事で変わったり、後退したり、バイトをしているような気分も味わうことができて楽しいということもありますが、自分で調べまとめたものを人にどのように分かりやすく印象に残りやすく説明できるかと考えながら、発表をし、うまくいけば楽しく嬉しいし、失敗すれば、次は違う言い方をしようとか、言いにくいから言いやすい言葉に変えたりして、最後にはすらすらと分かりやすく聞き取りやすい説明になっていくのが実感できます。来ていただいたお客様からの質問に答えたり、説明して納得していただけたり、驚いてもらえたりと、お客様の表情を間近で見ることができるので、すごくやりがいがあって、一番楽しみにしているところでもありました。

HR展に全力投球したからこそ、「友情」という無形の財産を得た先輩もいます。
☆学園祭は私に本当にたくさんのものをもたらしてくれたと思います。人間関係や計画性、想像力、人の考えを聞き発展させる力など、本当にたくさんのことが学べました。HR展で築かれた人間関係は、今なお素晴らしい形で継続・発展しています。きっとHR展がなかったら、あの子と今こんなふうに話すことができていないな、と思う友達がたくさんできました。HR展に全力で取り組んでいたから感じられたのかなと思います。


最後の学園祭を間近にして感想を書いてくれた高校3年生たちは、異口同音に後輩たちに優しく力強くエールを送ってくれていました。
上級生から下級生へ、学園祭という学びは、こうして継承されていくのですね。