高校1年生、「学問」に出会う

西遠の土曜プログラムの中には、卒業生の皆さんにお越しいただく授業があります。
高校1年生の女性教育プログラム「学問を識る」のために、4人の卒業生が母校に「里帰り」してくれました。
自らが研究を進めている学問について、研究のきっかけや、大学・大学院での学びなどのお話は、これから自身の進路を選択していく高校1年生にとって、未知の世界に一歩踏み出す大切な機会となりました。
4人の卒業生は、50分の授業を2回行ってくださいます。
生徒は、4つの中から2つの授業を聞くことができます。
私も4人の授業を少しずつ聞かせていただきました。
順天堂大学大学院の三倉さんは、女子とスポーツについてその歴史や現在の課題などを詳しく説明してくれました。

女性がスポーツをしようとする時いかに障害が多かったのか、現在のようにオリンピックの競技で女子が活躍できるまでには長い年月がかかったことを、生徒達は教わりました。
大河ドラマ「いだてん」を毎週楽しみに見ている私には、とっても親しみ深く興味深いお話でした。
(生徒が誰も「いだてん」見てないなんて、ああもったいない!)
今も、日本では女性のコーチは男性に比べて大変少ない実態があります。
彼女の研究は、これからの日本のスポーツのあり方について、大きな問いかけをしてくれています。
信州大学の芹澤さんは、来春から大学院に進み、身体運動科学を研究することが決まっています。

信州大学の学びの分野についても、具体的にどんなことを学ぶ学科や専攻なのかを詳しく説明してくれました。
彼女は、社会科の教育実習に来てくれましたが、実際に研究している分野は、学校の教科の分類とは全く違うもので、生徒たちは学問の幅広さというものを知ったのではないでしょうか。
もう一人、信州大学の大学院から来てくれたのは、竹森さん。

大学から大学院まで段階を追って学びが進化・深化していくことをお話してくれました。
彼女は大学での実習を経て、精神科に興味を持ち、今、うつ病のバイオマーカーを作ることができないか、研究しています。
なぜ大学院に進もうと思ったのかなどを丁寧に説明してくれ、生徒たちも真剣に聞いていました。
東京理科大学で学ぶ大口さんは、自身の研究内容に加えて、大学3年次のアメリカへの留学体験についてもお話してくれました。

海外で学ぶことの面白さ、そこで伸ばした力、とても楽しそうに話す大口さんに、みんな引き込まれていました。
英語や数学、化学など、今高校生が教わっている教科は、実際にどこでどう必要になってくるのかも教えてくれました。
プログラミングについても、中学時代に興味を持っていたと聞き、自分が面白いと思った分野だからこそ極めていくときの原動力になるのだなあと、今日の1時間目の講堂朝会で自分が話したことを思い出しながら、私も聞かせていただきました。
高校1年生の皆さんは、今「進路を考える月間」の真っただ中にいます。
この授業が自分の進路を考える大きなきっかけとなり、大学へ行くことの意味、学問を究めることの意味を、一人一人かみしめてくれたらいいなと思います。
後輩のために、忙しい中、母校にご来校くださった4人の皆さん、ご協力ありがとうございました!
ますますのご活躍をお祈りしています!