10月18日の全校講堂朝会では、「青春の道場 西遠で成長するということ」というタイトルで訓話を行いました。感想として寄せられた集会記録はどれも読みごたえがありましたが、中でも、高校3年生の文章には、「青春の道場」での日々の確実な蓄積と決意、そして後輩達への愛にあふれるメッセージが詰まっていて、胸を衝かれる思いでした。
今日は、「学園再発見」のシリーズ最終回のつもりとして、高校3年生3名の感想を紹介します。
鏡の言葉は大事なことを訴えかけてくれる
◎「できないのではない。ただ自分はやろうとしないだけだ。」という鏡の言葉は、一昨年、昨年と毎日目にしていたもので、私にとってもとても大切な、自分を奮い立たせてくれる言葉です。そうはいっても、正直この言葉を見ると、怠けている自分を見透かされているようで、鬱陶しく思うこともありました。また、やってもできないことぐらい世の中にはたくさんあるだろうと思ったこともありました。しかし受験を控えた今、4年生のときに自分には高望みだと思っていた志望校を、本格的に目指して勉強していると思うと、最初からできないと決めつけ、諦めるのはあまりにももったいないことであり、案外やろうとすれば、遠い夢だと思っていたものにも現実味が帯びてくるものだなと思うようになってきました。
私はもともと、どちらかといえば堅実的な考え方をするタイプで、自分から危ない道や、勝率が低い道を選ぶことはなかったのですが、学園生活の中で、先生方からの勧めで様々な経験をしたり、先輩方の挑戦する姿を見たりする中で、自分の心に宿った夢や憧れは、たとえすぐに叶えられるものでなくても、見捨てずに持ち続けることが大切だと学んできました。そして、鏡の言葉は、そのことを忘れないように、私達に毎日訴えかけてくれるものだと思います。今は見る機会が減ってきてしまいましたが、これからもこの言葉は胸の中にしまっておきたいと思います。


後輩へ「挫折しても大丈夫」
◎共通テストまであと何十日か、そして西遠に通える日数は?そんな話題を聞くことが多くなってきました。高校3年生の一年は他の一年と比べて本当に一瞬です。今までの先輩方も、高校二年生まで部活や学校行事・生徒会に全力を注ぎ込んだあと、こんな感じだったのかなと感じました。そして私は、最近、自分の今までを振り返ることがとても多くなりました。楽しい思い出はもちろん、後輩の姿を見て、あの時期頑張ってたよな、この時期にあれをして、その次にこの行事が立て続けにあって、など日にちまで覚えてるくらい鮮明に思い出します。きっとなんとなく過ごしていたらこんなふうに思い出すこともなかったと思うと、なんとかここまで学校に休まず来ることができている自分に対しての自信と、それを支えてくださる周りの方々への感謝が一気に押し寄せて来ました。改めてありがとうございました。
私の回想シーンはだいたい悪いものが多いです。思い出すだけで羞恥心と後悔と反省の繰り返しです。怒りや悲しみは寝るとだいたい忘れてしまうのに、その他の感情や胸に刻まれた経験の痕跡が多々疼きます。私の心に残っている言葉は、ヤマザキマリさんの「10代のうちにたくさん挫折をしたほうがいい」という言葉です。その言葉を聞いたときは、できれば通りたくない苦いものを経験したくはないなと感じていました。でも、自然とそのような場面に直面する様になりました。そのたびになんで私だけ、と嘆きながら毎回しっかり特大スライディングをかましてまいりました。私は言葉より、話しても自分の想いが伝わらないことへの悲しみに涙がこぼれてしまう人間なので、周りの友達にもそのたびにたくさん救ってもらいました。彼女の言葉は厳しい道へと私を導いたけれど、実際にその道に立ってみると、その時々に合わせた救世主、ヒーローに必ず出会います。だからまだ挫折を味わったことのない後輩たちには、あなたにピッタリの苦しみとヒーローが同時に現れるから安心して飛び込んでおいで!と言いたいです。まだまだ挫折や苦しい経験は少ないとは思いますが、今の私ができる最大限の助言です。
最近、考えてしまうことは、後輩にもっと伝えられることがあるんじゃないかということです。いつも色んな方々に出会って、助言を受けたり、感化されて来たので、誰かにしてあげる経験が少ない気がします。姉妹掃除の時も、楽しい話もいいけれど、私から話すと説教じみた会話になってしまうし、後輩が求めているかもわからないので、なかなか真剣な話をしにくいです。残り少ない西遠の生活の中で、もっとできることがあるのではと考えながら、これからも精進してまいります。


この一年は不断の挑戦の連続
◎いよいよ共通テストが目前に迫ってきました。この一年間、私はこの試験を一つの大きな目標として、毎日地道に努力を重ねてきました。最初は勉強のペースをつかむことさえ難しく、何から手をつければよいのか分からない日々もありました。それでも少しずつ計画を立て、苦手分野を克服するために繰り返し問題に取り組み、間違えたところを分析しては復習を重ねました。努力の成果はすぐに表れるものではありませんが、「やめずに続けることこそが力になる」と信じて歩みを止めませんでした。振り返ってみると、この一年間はまさに不断の挑戦の連続だったと思います。勉強だけでなく、生活習慣や心の在り方も含め、自分と向き合う毎日でした。模試の結果に落ち込んだり、思うように集中できなかったりする日もありましたが、それでも「次こそは」と気持ちを切り替え、前を向くよう心がけてきました。どんなに小さな努力でも、積み重ねれば必ず成果に変わる。その信念が、ここまで私を支えてくれたのだと思います。
共通テスト当日は、きっと大きな緊張や不安が待ち受けていると思います。それでも、これまでの努力を信じて、自分の力を出し切ることが目標です。緊張することは決して悪いことではなく、それだけ真剣に取り組んできた証だと考えています。私は恐れを感じても立ち止まらず、勇気を持って一歩を踏み出すことを大切にしたいです。真の勇気とは、恐れないことではなく、恐れながらも前に進む心だと私は思います。その気持ちを胸に、試験本番では冷静に、そして堂々と臨みたいです。
勉強を通して学んだのは、結果よりも過程の大切さです。努力し続ける中で得た知識や忍耐力、支えてくれる人への感謝の気持ちは、テストの点数以上に価値のあるものだと思います。私を信じて応援してくれた家族や先生、友人の思いを背負いながら、最後の瞬間まで自分の力を信じて全力を尽くします。共通テストは、私にとってただの試験ではなく、自分の可能性を試す舞台です。ここまで積み上げてきた不断の努力と勇気を胸に、焦らず、諦めず、着実に前進していきます。そしてこの経験を糧に、未来へと続く新たな挑戦へ踏み出していきたいと思います。


☆ ☆ ☆
3人の高校3年生の「集会記録」を紹介させてもらいました。「進路に限界まで挑戦し、笑顔で卒業しよう」という学年目標を、言葉以上に体現してくれている先輩たちがいる! 彼女たちの感想を読んでいると、胸が熱くなりました。生徒たちこそ学園のかけがえのない財産です。今回、「学園再発見」というシリーズで集会記録を紹介しましたが、最も深く西遠を再発見できたのは、私自身かもしれません。高校3年生全員の未来を祝福し、すべての生徒たちの前途が明るく広がっていくことを心から願います。

