本日1時間目は、高校の講堂朝会。高校3年生がオオバの話を聞く「講堂朝会」は今回が最後です。
本日は、3人の女性の生涯を紹介し、その3人から、どんな「バトン」を受け取るのか、一人一人に考えてもらう機会としました。

私が今日紹介したのは、以下の3名です。
○ベアテ・シロタ・ゴードン(GHQ元職員)
○ベラ・チャスラフスカ(チェコスロバキアの五輪体操金メダリスト)
○茨木のり子(詩人)
私が彼女たちを紹介するのは初めてではありません。ブログを振り返ると、ベアテ・シロタ・ゴードンさんのことは、過去5回も登場しています(→こちらから)。また、チャスラフスカさんのことは、過去3回登場(こちらをご覧ください)していますし、2016年の「友情」274号巻頭言にも彼女のことを書いています。茨木のり子さんのお話は、3年前に講堂朝会(こちら)でしましたし、今日朗読した「自分の感受性くらい」という詩は、同じく「友情」276号の巻頭言でも紹介しています。
今回3人を紹介するにあたり、壇上に用意した本はこの5冊です。

ベアテさんの関係では、「世界を変えた10人の女性」(池上彰著)、「ミライの授業」(瀧本哲史著)、「1945年のクリスマス」(ベアテ・シロタ・ゴードン著)の3冊。チャスラフスカさんについては、「桜色の魂」(長田渚左著)、そして、茨木のり子さんは「Woman’s Stayle100 の本の女性偉人たち」(ヤマザキマリ監修)です。
このほかにも、「この父ありて」「茨木のり子詩集」「日本国憲法」「井上ひさしの『子どもに伝える日本国憲法』」などの本、そして以下のウェブの記事などを参考にしました。
伊藤剛(GENERATION TIMES編集長) ベアテ・シロタ・ゴードンさんロングインタビュー
FRaU 内田舞(医師)「『虎に翼』寅子が見た日本国憲法第14条。「男女平等」と22歳米国人女性の深い関係」
TEAM JAPAN HPより「ベラ・チャスラフスカ 国際政治に翻弄された『東京の恋人』」
日経2025年2月16日「自分の感受性くらい自分で守れ 茨木のり子の日記は語る」
さて、ベアテさんのことは、「22歳の女性が日本の社会を大きく変えた」として、日本国憲法草案に女性の権利を取り入れる原動力となった彼女の業績を紹介しました。22歳という若さの彼女がどうして、日本の女性たちの権利を主張できたのか、興味を持って聞いてくれたでしょうか。また、彼女が日本女性にプレゼントしてくれた「平等」「権利」を私たちはどう受け止め、継承していくべきなのでしょうか。
チャスラフスカさんの五輪後の苦労を紹介したのは、その信念のすごさを知ってもらいたかったからです。決して政治色の強い女性ではなかったけれど、彼女は自分の信念を曲げることをとことん嫌った、その不屈の精神を紹介しました。私自身が生まれて初めて名前を覚えたオリンピアンが彼女です。
さらに、茨木のり子さんについては、後半生を紹介した3年前とは逆に、彼女の「感受性」について、前半生のお話をしました。軍国少女だった彼女は、終戦で何を感じ、どんな生き方を決意したのでしょうか。それが結実した「自分の感受性くらい」という詩の重みを私は今回皆さんに知ってもらいたかったのです。
3人の女性の生き方から、どのようなバトンを受け取ったのか、高校生の皆さんの感想を楽しみに待っています。

