小さな白板2022 第13週

代休明けの6月28日から始まった第13週の「小さな白板(ホワイトボード)」を振り返ります。

6月28日(火)
 ポケットに手を入れながら/歩く癖の訳は/いっぱい詰め込んだ気持ちを/こぼさないように
                   槇原敬之「素直」より

槇原敬之さんの詩の世界が好きで、今までにもいくつか紹介しました。この日は「素直」という歌の一節を。

いつも話を聞いてくれる恋人に、自分ばかり話を聞かせていたことにハッとした「僕」は、彼女がもっと寂しがり屋だったことに気づくのです。彼女がポケットに手を突っ込んで歩く理由にも「僕」は気づきました。さあ、「僕」はどうするでしょう。

マッキーの歌には、小さな優しさがあふれています。

6月29日(水) 少数にて常に少数にてありしかばひとつ心を保ち来にけり  土屋文明

ぶれない心を大切にしたい、といつも思います。少数派の意見はないがしろにされがちですが、作者は少数であったからこそ自分の心を曲げずに来られたと振り返ります。心の強さ、信念というものについて考えさせられる、孤高の歌だと思いました。

6月30日(木) ふんだんに蜜をたらせる食パンに朝のひかりは棲みついている   江戸 雪

朝食というものの幸せを感じさせる歌ですね。この短歌を見つけてから、はちみつののった食パンの風景が思い浮かんで、なんだかお腹がすくのです。この歌の通りの写真を撮ってみたいな、なんて思いながら、写真よりも絵の方がいいな、絵が描けるっていいな、…と想像が進みました。短歌から絵を描く、そんな活動があってもいいですね。

7月1日(金) 無人駅の改札口に鶺鴒が迎えに来たと尾を振りて待つ  前川登代子

「鶺鴒」はセキレイと詠みます。右の写真の鳥です。人懐っこい鳥で、地面とちょんちょん歩いてますね。西遠にもよくハクセキレイが来ます。

この前、スーパーマーケットの出口で一羽の鶺鴒がちょこちょこ歩いている場に遭遇しました。人が近づいても全く動じず、自分のペースを貫いている感じです。かわいいなあと思いました。

無人駅に鶺鴒がいて「迎えに来ましたよ」と言うように尾を振っていたら、それはもうステキな旅のはじまりですね。旅情をくすぐる短歌を、7月最初の白板に紹介しました。

土曜休日の今日、磐田地区の校区PTAが行われました。明日は、新津・可美・砂丘・篠原・舞坂・雄踏の校区PTAです。