戦後80年の年に

とうとう2025年も今日で終わります。

今年は「戦後80年」という大きな節目の年でした。

節目の年、5月の殉難学徒慰霊式は、新聞やテレビで取り上げていただきました。

生徒会では、同窓生や近隣の皆様、そしてお花屋さんなどにも呼びかけを行い、舞台はたくさんの花と折り鶴で飾られました。
また、6月18日の浜松市戦災死者慰霊祭では、生徒会長と中央補佐の二人が「平和推進大使」の委嘱を受け、若い世代への「平和」の継承が確実に行われていることを感じました。

そして、5月の殉難学徒慰霊式にビデオメッセージを寄せてくださった元高校生平和大使の木場笑里さんが、9月に西遠を訪ねてくれたことも、大きな出来事でした。

高校生との「平和交流会」での木場さんの投げかけ、そして西遠生たちの質問や意見も力強く、若い世代の羽ばたきを頼もしく感じました。戦争体験者を親に持つ私たちの世代もまた、すべきことがたくさんあるのだと感じた一年でした。

そして、沖縄の上原さんご一家が創作された絵本との出会いも、忘れ難い財産です。

この絵本を、12月25日の図書館イベントで紹介することができ、聴いてくださった小学生の皆さんとそのご家族にも感謝しています。ぜひ、生徒の皆さんにも改めて紹介する機会を作りたいと思っています。

戦後80年の2025年ももう終わろうそしていますが、来たる2026年を「新たな戦前」にしないために、一人一人の努力が大切であることを強く感じています。昨日の朝日新聞「折々のことば」に掲載された中島岳志さん(政治学者・歴史学者)の言葉、それを掲げた鷲田清一さんの言葉を最後に紹介します。

憲法は……様々な失敗を繰り返してきた死者たちからの「戒め」であり、現在・未来の国民を拘束する「重し」である。(中島岳志)

憲法は死者の経験値によって国民と政府の「一時の熱狂や暴走を阻止する」装置なのだと。(鷲田清一) 
     2025年12月30日朝日新聞「折々のことば」より

2025年、皆様に支えていただき、西遠女子学園の教育活動を行うことができました。心より感謝申し上げます。
皆様、どうぞよいお年をお迎えください。