令和7年度の最後の州となりました。図書館入り口の「小さな白板(ホワイトボード)」のラインナップです。
3月16日(月)
ささやかな草に頬寄せおさな子が「オランダミミナグサさんおはよう」
森山昭子

なんてかわいい仕草でしょう。草に頬を寄せるその姿を想像するだけで微笑してしまいます。おさなごの愛くるしさ、小さな生き物に愛をもって接するその美しさ。ご家族が愛情あふれる育て方でお子さんに自然の命の営みを教えていらっしゃるのでしょう。オランダミミナグサ、恥ずかしながら初めて知りました。「おさな子」に教えてもらいました。
旧ツイッターで歌人の黒瀬珂瀾さんをフォローしておりまして、これは黒瀬さんが選者を務める新聞の短歌投稿欄(25年5月13日の読売新聞「読売歌壇」二席)の一首です。
3月17日(火)
ここに立つ樹が木蓮といふことをまた一年は忘れるだらう
荻原裕幸

昨年出会った短歌を、木蓮の季節に合わせて紹介しました。モクレンは本当に花の時期が短いです。花が咲いている時には圧倒的な存在感を示しますが、それ以外の360日はほぼその木の存在は忘れられてしまいます。でも、木はもちろんそこに存在しています。人間の気まぐれな興味や思考をものともせず…。

地元のモクレン。見事に咲いていましたがこれは先週の写真です。この樹もまた人々の中でそろそろ忘れ去られてしまう時期ですが、木の力強い生命力は来年もまた人々を驚かせ、感動させてくれるはずです。
3月18日(水)
例年より桜がはやい きみはいつもすこし困つたやうに笑ふね
秋月祐一

桜の便りに一喜一憂する季節ですね。ここから4月初めにかけて、白板も桜の短歌増えますよ。桜の短歌は人を高揚させますね。
この短歌、桜は主の話題ではなのです。桜の話に「きみ」の困ったような笑い方を歌う。二人の関係が気になります。
3月19日(木)
春風に詩集の頁(ページ)かさかさと天使の焦げた翼がひらく
加藤治郎

春風、詩集、天使、翼…なんだか春の旅立ちの日にいいなと思って、令和7年度の最後の日の白板をこの短歌にしました。
風がめくる詩集の頁。詩集は誰のどんな詩集なのでしょう。天使の翼って、本の比喩でしょうか。焦げた翼ということは、読み慣れた詩集なのかしら、古い本なのかしら…と想像しました。
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明日午後、ギターマンドリン部の定期公演があります。どうぞお越しください。

