6月から7月へ。第26週の「小さな白板(ホワイトボード)」のラインナップを振り返ります。
6月29日(月)
子どもらがJAPANの青きユニフォーム着てボール蹴る 青は夢の色
桑原正紀

この日の夜中に日本対ブラジルが予定されていましたので、この歌を書きました。土曜日の全校講堂朝会で紹介した桑原正紀さんの歌集「妻へ。千年待たむ」より。桑原さんの奥様が倒れたのが2005年なので、この短歌は2006年サッカーワールドカップドイツ大会の頃の歌でしょうか。青いユニフォーム姿でボールを蹴る子どもたち。青は夢の色、と歌う桑原さんは、愛する奥様を毎日病院に見舞う日々…。どんな気持ちで彼らの姿を目で追っていたのでしょう。そして、今年のワールドカップをどんな気持ちで見つめていらっしゃるのだろう、と思いました。
6月30日(火)
朝刊にはいつもかすかに匂ひある朝のちからのやうな匂ひが
荻原裕幸

6月最後の日。私はこの短歌を、自分の郵便受けにも貼ったのでした。長く取っていた新聞をこの日で止めていただいたのです。新聞を紙で読むことがだんだん負担になってきてしまい、ウェブに完全に切り替えることにしたのでした。長い間の新聞配達の皆様に感謝を込めて、この短歌を書きました。後日、配達担当の方からもお手紙いただき、胸がいっぱいになりました。新聞を紙で読むことが普通だったはずなのに、今はそのゆとりがなくなってしまっている…。一つの文化を担えない申し訳なさを感じています。
7月1日(水)
夏が来る たまに忘れそうになる わたしがすごくやさしいことを
伊藤紺

7月最初の歌はこちらです。「夏が来る」という初句がきっぱりしています。忙しさの中で、すごくやさしい自分自身、つまり自分の本質を忘れそうになっていることに、「初心忘るべからず」と警鐘を鳴らしているように思い、朔日(ついたち)にふさわしい短歌だなと思い、書きました。月のはじめ、自分自身を見つめ、自分自身を取り戻さなくちゃ。
7月2日(木)
とんぼには名がありません、太い尾に海のひかりを曳いて飛びます
柳宣宏

「現代歌人協会」のホームページにかかれていた短歌です。海のきらきらした水面が感じられます。
トンボを見かける季節になりましたね。夏から秋へ、トンボが舞っている風景を見るのが好きです。
小さい頃、我が家には文字の積み木がありまして、「と」は「とんぼ」だったのです。「ともよのとの字はとんぼのとの字」と覚えた私は、いまだにトンボに勝手に親近感を持っております。
7月3日(金)
意を決してアーケードから土砂降りの世界に飛び出す少年の靴
小坂井大輔

夕立の街、雨宿りしていた少年が待ち切れず飛び出していく様子が映画のワンシーンのように想像できますね。
7月に入って雨が続いています。風情ある雨ならいいのですが、線状降水帯の危険も各地に出ていて、降り過ぎないでと願うばかりです。
7月4日(土)
雷をひかりと音に分ける時どちらが躰なのだろうかと
鈴木晴香

考えたことありませんでした、雷の実体…。光と音ではどちらが体なのでしょう?
鈴木晴香さんの「心がめあて」という歌集は、図書館内の「木下龍也図書」に入っています。彼女の短歌、10代の皆さんにも読みやすいのではないかと思います。手に取ってくれたら嬉しいです。私は、フランスで彼女の読んだ短歌に親しみを覚えました。
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昨日から、夏の「校区PTA」が始まりました。それぞれの地域で皆様に逢えるのを楽しみにしておりますので、保護者の皆様、万障お繰り合わせのうえご参加ください。

