校歌への思い 3

12月19日の全校講堂朝会の感想を紹介しています。
西遠の校歌が、岡本富郎先生の親友の作詞であり、お二人の友情から生まれたものであること、
富郎先生が「校歌」というより「寮歌」のようなものにしたいとお考えだったこと
をお話しました。
高校生はどんなふうに受けとめたのかを、第3回の今日はお届けしたいと思います。
私は今まで校歌を歌う時、意味なんて考えずにただただ歌うという“作業”をしていたように思います。西遠の校歌はなんだか暗い系だし、古文みたいで今の流行の歌みたいに聴いたり歌ったりしているだけで意味を理解できるものではないので、4年間校歌なんて全然興味なかったです。しかし、今回お話を聞いて、校歌に対する思いがガラッと変わった気がします。私が特に印象に残ったのは、「忘るるなかれ若き日を」です。年をとっても若かった頃を忘れないということはきっとすごく大切なんだろうと思います。もう一つは、「みどりかはらじ とこしえに」です。この解釈は少し違っているかもしれないけれど、変わらないものがあるというのは、私(自分自身)にとってとても大切なものになる気がします。5番まで歌ったのは初めてのことでした。校長先生も、今日歌ったことを忘れず覚えておいてと言っていたけれど、きっと忘れないだろうと思います。そして、これからあと何回あるか分からない校歌を歌う機会を大切に、意味を考え、感じながら歌っていきたいです。
とっても正直な感想です。
校歌って興味の対象ではなかったでしょう。
4年間が「作業」のようだった、という本音も分かる気がします。
今回、「変わらないこと」の大切さを感じたことは、彼女にとって大きな成長のきっかけなのだと思います。
高校から西遠に入学した生徒たちの感想も、心に残るものでした。
高校から西遠に入学した私は、入学式のときに初めて校歌を聴きました。その時の印象は、「他の学校とは違う。あまり聞いたことはない言葉がいくつかある。」というような感じでした。でも、西遠の校歌の、他の学校と違うところには「特別な感じ」がするし、あまり聞いたことがない言葉、つまり昔の言葉があるところには「長い歴史」が感じられたので、素敵だなと思っていました。そして、今回、校歌ができるまでの経緯を知り、改めて西遠の校歌は素敵だなと思いました。富郎先生と友人との友情からこの校歌が生まれたというのが、とても素敵でいいなと思ったし、少し感動しました。その経緯から「縁」というものの不思議さやすごさを感じました。友情から生まれ、長い間歌い継がれてきたこの校歌を、大切にしたいなと思いました。だからこそ、校歌を歌う時は心を込めて、しっかり歌うようにしたいです。
私がこの学校の校歌を初めて聴いたのは、高校の入学式当日であった。すごく暗く淋しげな曲なんだとすごく驚いたのを今でも記憶している。と同時に、歴史の長さというものも感じた。曲調や歌詞をパッと聞いただけではあったが、この学校の伝統というものも感じられた。一回聴いただけでも、こういったことが感じられるのも、きっと西遠らしさなのかなと思った。正直、私は、みんなより西遠で過ごしている日々は少ない。しかし、西遠らしさ、西遠の良さを研修旅行で体感した。「昨年も、その前の年も、毎年この時期になると黄色いラインの制服の子たちが来てくれて、いつも笑顔で挨拶してくれて、本当にあったかい気持ちにさせてもらえる。ありがとう」と言われた。その方は観光客へのガイド小屋の館長さんをされていて、私たちが道に迷っていて声をかけたら、そのように言ってくださり、優しく、そして温かくお話してくれた。この制服を着ていたおかげで、こんなにも温かく迎え入れてもらえるなんて、本当にありがたいことだと感じた。こういう気持ちになれたのも、今までの先輩方のおかげだと思うし、これも校歌のような長い歴史があるからかなと思った。私はこの制服を着始めてもうすぐ2年。制服を着て町を歩いているだけで、「私も西遠だったんだよ。この制服は昔から変わってなくて、本当に懐かしいし、嬉しいね」と声をかけてくださる方に何人も出会ってきた。本当にうれしいことであると思った。誰かが必ず見守ってくださっていて、私たちは本当に恵まれた環境にいるのだと思った。このような歴史あふれる学校にいられることは、本当に素晴らしいことであると思う。あと1年と少し、まだこの学校にいる期間がある。残された期間で、西遠の素晴らしさ、良さ、西遠らしさを多く感じ、見つけていきたいと思う。

校歌を歌うことがいつしか「作業化」してしまっていた内進生に対し、新鮮に驚きを感じ、「伝統」「歴史」の存在を噛みしめた高校入学生たち。
双方の感想を「授業納め」の日に紹介しながら、これが新たなきっかけとなって、生徒それぞれが「歴史」や「伝統」を改めてかみしめてほしいと思いました。

「校歌」や「制服」を通じてたくさんの先輩達とつながる幸福も、長い歴史のある西遠ならではだと思います。
卒業生の立場からしても、後輩たちが自分たちと同じ制服を着、自分達と同じ校歌を歌い継いでいることが、どんなに嬉しく心強いことであるか・・・。
西遠の絆を強く結ぶ「校歌」という存在。
学年が進むほどに、その意識は大きくなるのでしょう。
次回は、高校3年生が今抱いている思いを紹介したいと思います。