服部克久さんご逝去

11日夕方、娘からのメッセージに「服部克久さんが亡くなられた」と書かれていて、絶句しました。すぐにネットのニュースを見ました。まだニュース一覧には出ていませんでしたが、ツイッターが服部克久さんの訃報を伝えていました。柔和な笑顔の服部さんのお写真がネットに出ています。時間がたつにつれ、喪失感でいっぱいになりました。

服部克久さんは、服部良一さんを父に持ち、息子の服部隆之さん、お孫さんでバイオリニストの服部百音さんと、実に4代続く音楽家のご一家です。今から14年前、西遠が創立100周年を迎えるにあたり、3月3日の創立記念式がアクト大ホールで開催され、その第2部の記念演奏会でお越しくださったのが、服部克久さんでした。

2006年3月3日 アクト大ホールで指揮をする服部克久さん
午前中のリハーサルに臨む服部さん(2006年3月3日

100周年記念式のことは、110周年記念式前夜に当ブログにも一度詳しく書きました。今読み返すと、服部さんのことがいろいろ思い出されます。ブログ掲載をメールでお願いしましたところ、ご快諾くださった優しい服部さんが、もうこの世にいないのかと思うと、本当に寂しく悲しい思いです。→「創立100周年の思い出」は こちらからご覧ください。

服部克久さんの「音楽畑」との出会いは、100周年よりもう少し前にさかのぼります。これもブログに書きましたが、ダンス部が服部さんの曲 「母なる地球」 を創作ダンスに使用し、その創作ダンス作品「次の波が来たら海へ」が全国大会で入賞したのでした。「母なる地球」というこの曲は、ダンス部の快挙もあって当時副顧問だった私にも忘れられない一曲となり、初めて服部さんのアルバムを購入しました。その後、「音楽畑」シリーズは、だんだんと我が家のCDの棚を埋めていきました。

メロンの地球儀「音楽畑10」に「母なる地球」は収録されています。その隣の色とりどりのパプリカのジャケットのCD「音楽畑16」には、100周年の舞台で生徒たちが歌った 「Friends・Love・Believing」 が入っています。服部克久さんの音楽人生40周年を記念して、山下達郎さん、谷村新司さん、南こうせつさん、さだまさしさん、私の好きな財津和夫さんなどなど、たくさんの歌手の方が大集結して、服部さんの指揮の下で歌っている歌です。このCDを買ったとき、まさかこの歌が100周年の西遠で歌われるなんて想像だにしませんでした。

その100周年の記念コンサート当日、オーケストラ部と100周年記念合唱団の生徒たちは、朝から練習、リハーサルに大わらわでした。その中の一人から、先ほどメールをもらいました。

「今夜のニュースで服部克久さんの訃報を知りました。これまでも著名人の訃報を報道で知ってきましたが、今回は特別な気持ちになりました。100周年式典に向けての合唱団の設立、大ホールでの演奏は、忘れることができません。貴重な経験でした。写真も大切にとってあります。」

あれから14年たちます。 あの時、舞台に立った卒業生たちは、今、服部さんのご逝去を知り、それぞれあの日のことを思い出していることでしょう。服部さんがプレゼントしてくださった、西遠にとっても、一人一人にとっても、大事な思い出の1コマです。

私の宝物。

服部克久さんにご出演をお願いしてから創立記念式当日までの約1年間、準備や合唱の練習、諸連絡で大変お世話になったMさんという方がいます。その方がお誘いくださったコンサート 「作曲家の祭典2016」 に娘と共に伺い、服部克久さんの新作「愛おしき人生」を生演奏で聞くという幸福な時間を過ごすことができました。(その日のことは、こちらでお読みください。)そして、Mさんのお計らいで、コンサート後の楽屋に服部さんをお訪ねするという幸運にも恵まれました。夜9時半を過ぎるほどの長いコンサートの後でお疲れだったにもかかわらず、とても優しいご対応をいただき、感激したことを覚えております。とてもおしゃれで素敵な服部さんでした。

2016年6月18日「 作曲家の祭典2016 」にて

服部克久さん、素晴らしい音楽とたくさんの思い出をありがとうございました。これからも「音楽畑」を大切に聴いていきます。きっといろいろな場面で服部さんの曲はこれからも私たちの生活を彩ってくださることでしょう。服部克久様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。