生徒の「人権」への思い —世界人権デーに寄せてー

今日は「世界人権デー」。ちょうど、11月14日(土)に行った高校講堂朝会の生徒の集会記録のコメント記入が終わったところです。この日の講堂朝会は、「二人の女性からのメッセージ」を中心に、女性の人権に触れる内容でした。→11月14日講堂朝会についてのブログ

カマラ・ハリスさんの演説、そして中満泉さんの「15歳の私」への手紙。この2人のメッセージを、生徒はどう受け止めたのでしょう。今日は、高校1年生の感想をいくつか、ご紹介します。

  • 中満泉さんの手紙を読んだ時に、「ちょっと周りと違うことを考えていたり、やろうとしても、それは恥ずべきことではないし、素晴らしいこと。努力すればなんでも可能になることを信じて、決して疑わないで」というところが心に残りました。私は、部活の時などに、この方が良いのではないかと周りと違うことを考えても、みんながこれと言っているのでそれが正しいのだと思い、自分だけ違って恥ずかしいなと思うことがありました。中満さんのこの言葉を聞いて、意見を言わなかった自分が一番恥ずかしかったのではないかと気づきました。
  • 中満泉さんの「15歳の私へ」の手紙の言葉に、とても勇気づけられました。男女差別がまだ残っている中、2・3年後には女子だけではない社会に出ていくと思うと、不安です。でも、「努力すれば何にでも可能性があることを信じて」という言葉を信じて、今は将来に向けて目の前にある勉強をしっかりしようと思いました。「教育は最大の武器」という言葉を心に刻んで、頑張ります。
  • ハリスさんが「今、自分がここにいることができるのは、苦難を乗り越えてきたアメリカの女性の歴史による」と行ったのは、とても素敵な考え方だと思います、昔、女性の立場を確立するため、多くを犠牲にし、闘ってくれた強い女性がいるからこそ今があるのだということは、決して忘れてはならないことだと思います。国は違えど、女性という立場は同じであり、強く生きているハリスさんは私の希望の星になってくれました。
  • ジョン・ルイス下院議員の「民主主義は状態ではなく行動だ」、丸山真男さんの「権利の上に眠る者は擁護されない」という言葉が特に印象に残りました。「権利があってもそれに安心して使わない人の権利はなくなる」「民主主義は保証されていない。民主主義を守るためには苦しい戦い、犠牲があって喜びがある」という言葉を聞いて、はっとさせられました。私は正直あまり真剣に政治のことなどについて考えたりしたことがなく、少し遠いところにあるもののように感じていました。選挙権はまだないですが、まさに今の状態に満足し、何も行動を起こしていない状態だなと思いました。権利や自由を守るためには絶え間なく努力する必要があり、今の私たちがすべきことは自国そして他国について知ることだと思いました。傍観者となるのではなく、国民の一人だと自覚し、行動することが民主主義を守っていくことに繋がっていくのかな、と思いました。

日頃の生活の中で、自分の持っている権利や自由に自覚的でない人は大勢います。今、自分が有している権利や自由が、安穏と生活するうちに、気づいたら無くなっていた…なんて怖いですよね。講堂朝会では、女性の権利(特に参政権)獲得までの長い歴史を紹介しました。こうして、過去を知ることが、今の自分の基盤に気づくことになります。それが、未来をつくる第一歩だと私は思います。

国連によると、2020年は、女性の権利推進に向けた「北京宣言及び行動綱領」の採択25周年なのだそうです。女性の権利・ジェンダー平等は進んでいるのか、UN WOMEN からの資料がありました。ぜひこちらもお読みください。

高2、高3の講堂朝会感想も、追ってご紹介します。たくさんの生徒が感想を提出してくれました。