小さな白板 第19週

図書館入り口の「小さな白板(ホワイトボード)」、オンライン授業中ですが、今週も秘かに掲げておりました。(おそらく皆さん)ここで初めて読んでいただく第19週です。

8月30日(月)~9月1日(水)

8月最後からオンライン授業初日までのホワイトボードには、1948(昭和23)年に文部省が作り、53年まで中学高校用の教科書として用いられていた本「民主主義」より一節を紹介しました。小さな白板に書き切れなかった段落全部を紹介すると、こういう文章になっています。

要するに、有権者のひとりひとりが賢明にならなければ、民主主義はうまくゆかない。国民が賢明で、物事を科学的に考えるようになれば、うその宣伝はたちまち見破られてしまうから、誰も無責任なことを言いふらすことはできなくなる。高い知性と、真実を愛する心と、発見された真実を守ろうとする意志と、正しい方針を責任をもって貫ぬく実行力と、そういう人々の間のお互の尊敬と協力と—―立派な民主国家を建設する原動力はそこにある。そこにだけあって、それ以外にはない。

文部省「民主主義」(角川ソフィア文庫)  第6章 「目覚めた有権者」より

奇しくも、このボードを掲げた直後に、衆議院解散か?という報道があり、続いて菅総理が総裁選不出馬を表明しました。私たちはこうした転換期にこそ「民主主義」を正しく理解して行動しなくてはいけません。

9月2日(木)

オンライン授業2日目には、太田啓子さんの「これからの男の子たちへ」より。「オンライン自習室J」でも紹介した本です。

いまの世の中の問題も、待っていたら誰かがなんとかしてくれるとか、社会が自然にいいほうに「変わる」ということはありません。自分が動いて「変えられる」ものだということを、女の子も男の子もぜひ知ってください。

太田啓子著「これからの男の子たちへ」(大槻書店)より

この本には、男の子だけでなく、女の子にも読んでほしい内容がいっぱい詰まっています。今まで無自覚だった女の子の置かれている状況を可視化してくれた本です。

9月3日(金)  理科学ぶ 命を守るため学ぶ  太幡琉美花

今年の8月15日、中日新聞の「平和の俳句特集」を読んでいて目に留まったこの俳句。作者は15歳の女性 太幡(たばた)琉美花さんです。理科を何のために学ぶのか、自問自答している10代の壮大で強い平和への意志を感じて書き留めました。同世代の生徒の皆さんにこの句は果たしてどう響くでしょうか。

9月4日(土)

今読んでいる本「転換期を生きるきみたちへ」より。編者でもあり、この本のトップバッターをつとめた内田樹さんの文章を紹介しました。

本当に新しいもの、ブレークスルーをもたらすものは、いつだって『思いがけないもの』です。そんなものが存在するとは誰も思っていなかったものです。

内田樹編「転換期を生きるきみたちへ」(晶文社) 
 内田樹「身体に訊く――言葉を伝えるとはどういうことか」より

今まさに日本も世界も転換期を迎えています。この本が出たのは2016年ですから、まだコロナウイルスの存在もなかった頃です。しかし、コロナの時代にも考えねばならないことがたくさんあり、今を生きるヒントがたくさん発見できます。11人のメッセージ(内田氏が信頼できる方々に執筆を依頼して、集まったメッセージです)を大事に詠み進めたいと思います。

西遠では明日からもオンライン授業を行います。感染防止を第一に、しかし、学習する意志を強く持って歩んでいきましょう。