静岡へ出張

今日は私学協会の出張があり、2か月ぶりに静岡市に行ってきました。

新幹線の車窓から、たわわに実った黄金色の田んぼが見え、秋の風情を感じました。また、見えないだろうと思っていた富士山も、うっすらとその姿を見せてくれて、空中に浮かんだ夢の山のようにも見えました。

静岡駅の地下では、こんな掲示に出会いました。

楽しみにしている「赤羽末吉展」(静岡市美術館)。10月3日の開幕(オンライン学園祭と同じ日にスタートですね!)を間近に控えて、地下街だけでなく、街のあちこちに、スーホがいました。秋休みに静岡市美術館へ行きたいと思っていますが、そのころコロナの感染が拡大なんかしませんようにと願うばかりです。

駿府城のお堀には、彼岸花が咲いていました。今年のヒガンバナはちょっと遅いのでしょうか。鮮やかな赤が、お堀の石垣の上に、彩りを添えていました。以前、このお堀の上から、一羽のカワセミが急降下して、水面に突き刺すように飛んだのを見たことがあります。あっという間の出来事でした。あれ以来、堀端を歩くたびに気をつけて見ているのですが、全く遭遇できません。幻のカワセミです。

帰りの新幹線の車窓からは、田んぼ道を歩いて帰る小学生3人の姿が印象に残りました。のどかな、素敵な光景でした。彼らはその素敵な光景の真ん中に自分たちがいることなど気づいていないでしょう。こういう時、私は、何度も授業で扱った吉野弘の「虹の足」という詩をいつも思い出します。

―――おーい、君の家が虹の中にあるぞオ
乗客たちは頬を火照らせ
野面に立った虹の足に見とれた。
多分、あれはバスの中の僕らには見えて
村の人々には見えないのだ。
そんなこともあるのだろう
他人には見えて
自分には見えない幸福の中で
格別驚きもせず
幸福に生きていることが――。
  (吉野弘「虹の足」より抜粋)

自分には見えない幸福。かみしめたい言葉です。

出張から帰り、HR展の最終チェックに励んでおります。鬼のように修正項目を挙げてますので、明日から生徒に恨まれるかもしれません(笑)。でも、いい作品を世に出すための大事な関門、心を鬼にして頑張ります。