連休最終日、島田市博物館に行ってまいりました。「越すに越せない大井川」の大井川の堤防すぐのところにある島田市博物館では、9月21日まで「企画展『戦争を忘れない』」が行われています。


テレビで紹介されたこの企画展、浜松駅でチラシを手に取り、ぜひ行きたいと思っていました。
1945年8月に広島と長崎に投下された原子爆弾は、その投下前にアメリカ軍が「練習」として日本各地に「模擬原爆」を落としています。そのうち、3発が静岡県浜松市、焼津市、そして島田市に落とされたのでした。その形から「パンプキン爆弾」と呼ばれる模擬原爆により、島田では多くの死傷者が出ました。戦後80年の今年、このパンプキン爆弾を中心として、戦争の記録を博物館で公開したのです。


企画展が行われている二階への吹き抜けには、実際の大きさのパンプキン爆弾の垂れ幕が展示されていました。
そして、展示室の中央に、パンプキン爆弾の破片が展示されていました。



この破片は、そっと触ることができました。あまりに重い爆弾であったことが、破片からも推察できました。
模擬原爆「パンプキン爆弾」が落とされた場所が地図で示されていました。

皆さんは浜松市のどこに落とされたかご存じですか? そこは西遠のすぐ近くでした。芳川の橋のたもとに落とされたのです。
展示は、戦時中の暮らしから、原子爆弾の被害まで、多岐にわたっており、広島と長崎の原爆の資料や、静岡空襲の焼夷弾の残骸なども展示されていました。


三連休の最後の日、静かな会場には、年配のご夫婦が多い中、外国人の方も家族でいらしていました。静謐な空間で戦争の記録をたどり、平和への願いを改めて強くしました。この企画展は、戦争の記録と記憶を継承する、とても有意義なものだと思いました。
島田市博物館には、分館もあります。本館から分館までは約300メートル。川越遺跡の街並みを歩きました。


分館のうち、明治33(1900)年に建てられた旧桜井邸の中では、日本家屋の昔懐かしい風情を感じることができました。


民俗資料室には、昔の教室の机や椅子があり、島田樟誠高校からの寄贈とありました。テレビのブラウン管には、お化けのQ太郎の絵が。まさにQちゃんを見て育った世代としては、懐かしさにあふれるものでした。


レコードのコーナーでは、ソノシートからLPレコードまでが飾られていました。


昭和世代には大変楽しい展示でした。

9月21日には、こちらの川越街道で「第67回島田髷まつり」が行われるそうです。
この日は企画展「戦争を忘れない」の最終日、この界隈の賑わいを想像しながら、帰路につきました。
素晴らしい企画展を見学することができて、とても有意義な休日となりました。